読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

卒修了生への挨拶 その3/3

 自分の人生を生きていくためにはそのために何が大切なのでしょうか?僕はマラソンでなくオリエンテーリングを意識したら良いと考えています.

これまで多くの場面で,人生は「マラソン」に例えられてきました.「マラソン」はスタートからゴールをつなぐ予め定められたコース(42.195km)を走る競技です.ですが,変化こそ日常の現在は「オリエンテーリング」ではないかと思います.

一方,「オリエンテーリング」は自然の中で,地図上に表示された目印の地点をたどっていき,ゴールまでのタイムを競う競技スポーツです.「マラソン」のように,予めコースは決められてはいません.各地点間はどのように経路で進んでもよく,より早いルートを自分で考えて進むところが,マラソン(自然の中なのでクロスカントリーかもしれません)とは違うところです.

オリエンテーリング」を勝ち抜く(ゴールまでたどり着く)ためには,マラソンと同様に走るための走力に加えて,あきらめない力も求められるでしょう.さらに,方位磁石や地図を的確に読み,自分の位置や目的地を考え,確認しながら走らなくてはなりません.時には地図が間違っていることもあるので,方位磁石だけに依存することもあるでしょう.また,雷雲の動きとかも読む必要がでてくることもあるでしょう.方位磁石などに相当するものは,自らの経験で得た知識とか情報です.もちろん経験には読書,映画鑑賞,友人との会話などが含まれます.でもそれらの経験を過信してはいけないのです.経験だけを過信することなく,自由な発想でベストな方法を考えるということなんだと思います.

今の時代は変化が激しいのです.コースがあらかじめ決められているマランソンよりもオリエンテーリングを意識した方が良いのかもしれないです.元日本代表のオシムさんは“闇雲に走ればいいわけではありません.サッカーは走りながら考えるスポーツです.”と言っていました.これからは考えながらは走る/絶えず軌道修正しながら走る時代なのかもしれません.日頃から考えながら走り,知力も体力も鍛えましょう.

最後にこのスピーチをまとめます.情報系の学生さんはビットを学んだから1か0,YesかNoをつけたがるようです.例えば会社で壁にぶっかったとき,会社を辞めるとか,辞めないとかの二択で考えるだけでもったいないと思います.色々な選択肢やオプションがあります.そんなときには,ビット以外にも色は3原色の組み合わせ,数字は0~9の組み合わせ,音楽はドレミファソラシの7種類の組み合わせということも思い出しましょう.講義で学んだはずです.ガンジーも「目的があれば,それをかなえる手段は無数にある」言っています.

もっと具体的に説明しましょう.TVのコマーシャルで,妻夫木さんが,石橋凌さん演ずる新しい上司から「I can't do anything,」と言われます.会社の方針変更です.途方に暮れるといわけです.ですが,その後に,君たちは「but I can do something」がついていることを忘れないで欲しいのです.つまり,色々な選択肢やオプションがあるということを思い出して欲しいのです.

ではその選択肢やオプションをどう考えたら良いのでしょうか.自分だけで考えるのも良いでしょう.また,家族に相談するのも悪くはないでしょう.でもその時には「ネットワーク思考」を思い出してください.強い紐帯でつながっている人より,弱い紐帯でつながっている人に相談する方が良い場合もあるということです.そんな時は母校に来て,我々先生に相談してください.我々は皆さんと弱い紐帯でつながっています.

最後に,なにはともわれ健康管理をして体を大切にしましょう.そして,あらゆる可能性を探って,自分の人生を生きてください.かなえる手段も色々あります.最後の私の好きな浜田省吾の歌(風を感じて)のフレーズでしめます.

自由に生きてく方法なんて 100通りだってあるさ
It’s so easy, easy to be free !