自分の頭で考えなくなると,全体が間違った方向に進んでいてもわからなくなる.全体で同じ方向に進んでいることに心地よさを感じる人すら出てくる.

今朝(2015年8月18日)の朝日新聞のコラム(経済気象台)に点線以下のような記事が載っていた.このコラムでは国のことについて触れているが,あらゆる組織で同じ事が起こっているような気がする. 

自分の頭で考えなくなると,全体が間違った方向に進んでいてもわからなくなる.全体で同じ方向に進んでいることに心地よさを感じる人すら出てくる.

 天の邪鬼(あまのじゃく)は困ったさんなのかもしれないが,その存在は大切なんだとつくづく思う.欧米の意志決定では,全員一致の会議,反対意見のない会議は不気味に感じるようである.これは全体が間違って進むことを防止するようにシステムに入れ込んでいるということなんだと思う.

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―考える力― 
 設計図面通りに製造しても,性能は出ない.自動車産業界の通説だ.性能を出すために生産現場で行われる本当に大切なノウハウは,図面には書き込まない.生産設備の事情に合わせた細部の調整が各現場で違うからでもある.
 かぎは,図面の製品や部品がどこでどのような動き方をし,どのような力や熱が加わるかを想定できる力.その力が生産現場に育っているどうかで,最終製品の性能や品質が決まる.新興国で自動車生産が拡大しても,自分で考える力が育っていない工場には,先進国で鍛えられた専門家の支援が必要になる.
 自分で考える力が大切なのは工場だけではない.国も同様だ.
 戦後70年を迎え,語り部たちは確実に老い,自らを語る言葉を失いつつあるが,彼らが教えてくれる重要なことの一つが,自分で考える力の大切さだ.
 政府の戦争方針を無条件に信用し,服従した最大の原因は,国民が自分で考えなくなったことだ.政府は都合の悪いことを隠して結果だけを押し付け,受け取る側も考えなしにうのみにした.それが,日本の戦争時代であり,内外に被害を広げる原因となった.
 自分の頭で考えなくなると,全体が間違った方向に進んでいてもわからなくなる.全体で同じ方向に進んでいることに心地よさを感じる人すら出てくる.
 こうした日本の戦争時代とよく似た状況が,内外に散見されることは恐ろしい.
 大切なのは,自分の自然な感覚.命や人の気持ちを大切にすること,愛する人や家族を大切に思う気持ちから考え,それに反することに声を上げること.それが,本当に強い集まり,内外から尊敬される集まりを形成する第一歩だ. (窯)

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