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寅さんと教養,そして梅棹忠夫

 今週の朝日新聞は面白い連載(教養なんていらないの?:1~4)です.

(教養なんていらないの?:1)世につれ、人につれ…:朝日新聞デジタル

(教養なんていらないの?:2)「パンキョー」衰退の先に:朝日新聞デジタル

(教養なんていらないの?:3)インテリ嫌いの寅だけど:朝日新聞デジタル

「さしずめインテリだな」寅さんは教養をどう見ていたか:朝日新聞デジタル

(教養なんていらないの?:4)知りたい衝動に応える:朝日新聞デジタル

  この連載のタイトルだけでいらないと誤解してはいけません.教養や学問,リベラルアーツはないと困ります.リベラルアーツの含意は「自由に生きるための術」です.今は古代と違い,自由に色々なことが選択できる時代です.そのために「自由に生きるための術」である教養,学問,リベラルアーツは必要なんだと思います.日本では博士(専門)と称します.欧米は博士号のことをPh. Dと称します.Doctor of Philosophy の略です.philosophy は「高等な学問」であって,Ph. Dの含意には専門はもちろんのこと,その背景や森羅万象もきちんと理解していること考えています.きちんと理解していることを示す唯一の方法は,「論理的思考に基づく明晰な文章で説明できること」です.言葉,言葉の使い方を大切にしましょう!

 さて,この連載の3日目(2015/8/20)の記事「インテリ嫌いの寅だけど」は,寅さんの台詞を引用して,教養や常識の大切さに触れています.さて,昨年ぐらいから,私の最近の講義や研究室紹介では,寅さんの台詞を引用しています.特に下記の台詞です.

「何のために大学に行くの」と問われた寅は「(人生の一大事に直面した時に)勉強したヤツは,自分の頭できちんと筋道を立てて,はて,こういう時はどうしたらいいかなと考えることができるんだ」

正確な台詞は 

第40作 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日|寅の巻全作品データベース|『男はつらいよ』|松竹株式会社

 

そもそもなぜ学問するのか,なぜ研究するのか? つまるところ,論理的思考に基づく明晰な文章で説明できること」がキーになるわけです.

 この3日目の連載を読み,同じ事を考えている人がいるんだと嬉しかったです.反面,「思いついたこと」はどこか公の場で話しておけば,パブリッシュしておけばと後悔しています(ブログで少なくとも書いておこうと改めて思います).

 

 下記の書籍では梅棹先生の基本として,

  • 102頁)梅棹の基本は.思いつきにある.「しょせん思いつきじゃないか」という批判に対し,堂々と「だったら思いついてみろ」と反論する.思いつきはだれにもできるはずと.
  • 思いつきとはひらめきであり,自分のオリジナルの発想をひらめくことこそ「独創」である.
  • だれか偉い人の言葉を引用してきて,それであたかも・・・.
  • (108頁)大事なのは,論理的整合性と同時に着想ということです.

と紹介しています.上記の三つ目の「偉い人の言葉を引用してきて,それであたかも・・・.」という,意志決定のパターンが増えてきましたね.例えば,上(○○長という偉い人?)が言うからとかです.でも,上の言うことが全て正しいとは限りません.寅さんの台詞,「自分の頭できちんと筋道を立てて,はて,こういう時はどうしたらいいかなと考えることができるんだ」を思い出しましょう.

 

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