旅について 寅さん,Steve Jobs そして村上春樹

「旅というものはな,行き先を決めてから出かけるもんじゃねえんだよ.」

この台詞は『男はつらいよ 寅次郎の縁談』(第46作)での,寅さんの台詞である.

 この寅さんの台詞は,Steve Jobsの“The journey is the reward.”(目的地ではなく,旅そのものが旅の報酬)と“Connecting dots”(点を繋げること)の概念を組み合わせると,同じようなことを言っているように感じる.つまり,人生という旅では,あんまりハッキリと行き先/目的地を決めずに出かけ,その先々で出会う人々や事柄を,組み合わせると面白いというニュアンスであろうか.

 寅さんの台詞も,Steve Jobsの名言も,村上春樹さんの新作の

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「旅先で何もかもがうまく行ったら,それは旅行じゃない」 

とか,

「そこに何があるか前もってわかっていたら,誰もわざわざ手間暇かけて旅行になんて出ません.何度か行ったことのある場所だって,行くたびに『へえ、こんなものがあったんだ!』という驚きが必ずあります.それが旅行というものです・」

とダブってくる.愉快である.