IoTのTについて

言葉は思考を規定してしまう.我が国はComputerを計算機と和訳してしまいました.計算機という言葉からは計算だけする機械だと感じます.だからワードをアイディアプロセッサーとして使いこなせず,未だに清書の道具として使っているような気がします.またプログラミングは理系だけでするものだと未だに思われてしまっています.小中学校でプログラミングを教えるようになるので,しばらくすると理系だけでするものだという誤解は消えていって欲しいものです.

Computerを人工頭脳や電子頭脳,電脳と表現した国もあります.電脳という言葉からは脳だから何でもできそうな感じがします.我が国の先人が電脳と訳しておけば・・・,ちょっと違ってたかもしれません.同様なことでInnovationを技術革新と狭く訳した事例もあります.

ひるがえってIoT,もの/物のインターネットと訳されました.IoTのTはThings.これは辞書を引くと最初に物と出てくるからなんだと思います.ですが英語の観光ガイドには,この街でする事
 Things  to do in this are
の項目が必ず書かれています.Thingsの例文には下記のようなものもあります.
 There still left so many things to do.

英語ではどうもThingsは物とは違う感じです.有形の物だけでなく無形の物事,ひょっとすると森羅万象かもしれません.IoTのTは,英語の意味の広がりを意識して,広く考えておいた方がよいのだろうなと思います.
いまさら無理でしょうが,物事(含む物)のインターネット ぐらいの訳が良いのかもしれません.たぶん欧米や中華圏はThingsを広くとらえられるのだろうなと思います.我が国ではComputer,Innovationと同じ事が起きるのかなと考えちゃいます.

ですがこの時代に生きた一研究者としては,Tを大きく考えて,何でもありと思います.
つくずく「言葉の力」,「リベラルアーツ」ですね,また「言葉の力」を磨かないといけないと自省しています.今年からは研究室名も,リベラルアーツ(含む情報科学/情報学)研究室に変えようかなと思っています.